鬼怒川氾濫と線状降水帯

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記録的大雨が関東を襲った

2015年9月10日。

台風18号の影響で、関東地方から東北地方にかけて、過去50年間経験したことがないほどの大雨となり、気象庁は「大雨の特別警報」を発令しました。

この雨で、関東地方を栃木県から茨城県を通って流れる清流、鬼怒川が氾濫し、特に茨城県常総市での堤防決壊は深刻な事態を生みました。

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10日の午後のテレビ各局の報道は、その鬼怒川の決壊場所からのライブ。洪水により家屋に取り残された人たちや、車で移動中に被害にあった人たちの、消防レスキュー隊や自衛隊のヘリからの救出模様を映していました。

ボクは、このあたりを学生時代に車で走ったことがあります。関西に住んでいるので、関東平野の高速道路以外を車で走るなんてことは滅多ないのですが、一度、福島に行った帰りに、鬼怒川に沿って関東平野を南下しました。

当時は(今でも何でしょうか?)、畑が多く、集落が点々とあったのを覚えています(うろ覚えですが…(^-^;)

あの広大な平地が水で埋め尽くされたというのは、とんでもなく衝撃的でした。

大雨の原因、線状降水帯とは?

記録的な大雨をもたらした直接の要因は、関東地方の上空に南北に延びた「線状降水帯」と呼ばれる雨雲の連なりでした。

このとき、日本海には、台風18号から変わった低気圧があり、北海道辺りにあった高気圧に進路を阻まれ、動きが遅くなっていました。また、関東地方の東海上に台風17号がいました。

台風17号によって暖かく湿った風が関東地方に流れ込み、これと、台風18号から変わった低気圧に流れ込む南からの湿った風が、ちょうど関東地方の上空で、南北に帯状にぶつかったため、関東地方での大雨となったのです。

この線状降水帯はその後、徐々に北上し、11日現在、東北地方に大雨を降らせています。

鬼怒川の語源

ところで、今回氾濫した鬼怒川、なぜ「鬼」が「怒る」河と言うのでしょうか?

ひょっとしたら、昔から大雨が降ると、氾濫して、流域を恐怖に陥れていた、そんな過去がある暴れ川を、鬼が怒る、とあらわしたのではないか?そう思い、調べてみました。

鬼怒川の名前の由来には諸説あるんだけど、「鬼が怒る」というのもその一つなんだ。いつもは穏やかな鬼怒川だけど、氾濫すると鬼が怒ったように荒れることから、こんな名前がついたというんだ。ただ、この説を示す証拠はなく、他にもいくつかの由来が唱えられているんだ。
その一つが、「毛野川」からきたという説。昔栃木や群馬のあたりは「毛野国(けぬのくに)」と呼ばれていて、そこを流れる鬼怒川は「毛野川(けぬのがわ)」と呼ばれていたんだ。鬼怒川は、それがなまってできたとも言われているんだよ。

これは、「なっとく!おもしろ由来辞典」というサイトに乗った説明です。

Wikipediaによると、もともとの川の名前は、栃木や群馬の旧国名である「毛野」を流れる川ということで、「毛野河」と呼ばれていたらしく、これが訛って「衣川」「絹川」と呼ばれたり表記されるようになったとのこと。もともと穏やかな流れの川だったらしいということです。

それが、明治以降、明治政府が編纂した古事類苑に初めて「鬼怒川」の名前で登場したとなっています。

ですが、やはり暴れ川だったらしく、その治水は困難を極めたそうです。

今回の大雨による氾濫は、鬼怒川だけでなく、関東・東北の広範囲にわたっています。

まさに「災害列島」といった感ですが、被災された方々には、水が引いた後も困難な作業が待ち受けています。何とか希望を失わずに頑張ってほしいと思います。

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